安否確認システムの見積を3社から取ると、金額がばらばらで驚くことがあります。同じ「安否確認」なのに、なぜこうも違うのか。
理由は、見積書に書かれている項目が各社で違うからです。どこに何が含まれているかを分解すると、比べられるようになります。
費用は、大きく2つに分かれる
初期導入費(最初の1回だけ)と月額利用料(毎月)です。当たり前のようですが、ここで各社の考え方が大きく分かれます。
初期導入費をゼロにして月額に乗せる会社と、初期にまとめて取って月額を抑える会社があります。どちらが安いかは、何年使うかで逆転します。3年使うなら月額の差が効いてきますし、まず1年試したいなら初期費用の差が効きます。
比較するときは、「3年間の総額」で並べ直してみてください。 これをやると、印象が変わることがあります。
初期導入費は、何に対する金額なのか
初期導入費は、ソフトの値段ではありません。ほぼすべてが人の作業に対する費用です。中身を分解すると、だいたい次のようになります。
- 従業員名簿のデータを、システムが読める形に整える
- 部署・拠点・役職といった組織の構造を設定する
- 誰が誰の回答を見られるか(権限)を決めて、設定する
- 管理者向けの研修
- 初回の一斉配信(登録の案内)
この5つのうち、どれが見積に含まれているかを聞いてください。 名簿の整形が含まれていない見積は安く見えますが、その作業は御社の総務がやることになります。従業員300人分の名簿を整える作業は、決して軽くありません。
逆に、従業員数が少なく、組織がシンプルで、名簿がすでにきれいなら、初期導入費は本来かからないはずです。「ゼロ円」というプランが成立するのはこのケースです。
月額利用料は、何で変わるのか
いちばん多いのは従業員数による課金です。ただし、数え方に違いがあります。
- 登録している人数で数えるのか、実際に配信した人数で数えるのか
- 退職者を削除するまで課金が続くのか
- 拠点ごとの料金が別にあるのか
退職者の扱いは、意外と効きます。 人の出入りが多い業種で、削除の運用が甘いと、使っていない分を払い続けることになります。契約前に「退職者はどのタイミングで課金対象から外れるか」を確認しておくと安心です。
もうひとつ見落としやすいのが、訓練の回数制限です。月に何回まで一斉配信できるか、超えたら追加料金がかかるか。安否確認は使わないと回答率が上がらないので、ここが制限されていると、結局使わないシステムになります。
「安い」と「続けられる」は別の話
費用の話をするとき、金額そのものより効いてくるのが、運用にかかる人の手間です。
- 入社・退職のたびに、誰がシステムに登録するのか
- 従業員が機種変更したとき、誰が再設定を手伝うのか
- 未登録の従業員を、誰が追いかけるのか
この3つは見積書に載りませんが、毎月発生します。月額が5,000円安くても、総務の担当者が月に3時間取られるなら、差は逆転します。
専用アプリを配る方式か、すでに使っているLINEに乗せる方式かで、この手間はかなり変わります。当社はLINE側の事業者ですが、LINEを使っていない従業員が1割を超えるなら、LINE方式の利点は小さくなります。 この点は別の記事に書きました。
見積を取るときに聞く5つのこと
営業の説明を聞く前に、この5つを聞いてみてください。答えが具体的な会社は、信用できると思います。
- 初期導入費に、名簿の整形と権限の設定は含まれますか
- 月額は何を基準に数えますか。退職者はいつ課金対象から外れますか
- 訓練の一斉配信に回数制限はありますか
- 従業員の登録作業は、こちらで何人分の手間がかかりますか
- 3年使ったときの総額はいくらになりますか
当社の場合
参考までに、MyShelter Connect の料金の考え方を書いておきます。
| プラン | 対象 | 初期導入費 | 月額 |
|---|---|---|---|
| ライト | 〜30名(セルフ導入) | 0円 | 30,000円 |
| スタンダード(導入パック) | 31〜100名 | 330,000円 | 30,000円 |
| 行政・大規模 | 101名以上/自治体 | 個別お見積り | 個別お見積り |
いずれも税別です。ライトとスタンダードは、月額が従業員数で変わりません。 人数で課金すると、退職者の削除漏れが積み上がる問題が起きるためです。
ライトとスタンダードの違いは、上に書いた「初期導入費は何に対する金額か」そのものです。名簿の整形・組織構造の設定・権限の設計・管理者研修を当社が行うのがスタンダード、御社で設定していただくのがライトです。
従業員数と拠点数を伺えば、どちらが向くかの見当をお伝えできます。導入をご検討の段階でも、現状を伺うところからお手伝いします。